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アスペルガー:遙かなる旅路~障害に悩むすべての人へ~

ココロの病気・カラダの病気とともに生きる、50代おっさんフリーライターのブログです。

【10月7日】かつていた場所へ、そしてまた歩き出す

本当に気持良い天気になった。「秋晴れ」とはまさにこのことで、真っ青な空には雲ひとつみあたらない。北海道では台風で被害がでているっていうのにね。

急に思い立って、母校の大学を訪ねてみることにした。電車とバスを乗り継いで約2時間、「大阪の山岳地帯」なんて学生時代に自嘲気味に呼んでいたど田舎の大学へ。そうはいっても、いまではモノレールが通り高層住宅がバンバン建設されて、すっかり新興住宅地になってしまっていた。

夏休みが明けたというのに、キャンパスには人が少なかった。僕は語学関連のDVD試聴室が図書館に移ったことを確認するため、3階に直行した。自分が専攻していたアラビア語のDVDが果たしてどれだけあるのか、確かめたかったのだ。しかしながら、広さ8帖ほどの狭い視聴覚室には人っ子一人いなくて寂しい限りだった。ちょっといくらなんでも人がいなさすぎるんじゃないか。

ざっと見渡したところ、残念ながらすべての語学DVDのラインナップを合わせても棚2つ分ぐらいしかなくて、これじゃショボくてあまり見に来る気にはならないなと納得した。タイトルも10年20年前らしきものしかなくて、まったく入れ替えされていないことがわかった。

「合併吸収された大学なんて、あわれなもんだな」

僕は、かつて自分が輝いていた場所が、こんなにもみすぼらしくなってしまったことにガックリした。少なくとも一浪してまで入学した憧れの大学がこうなってしまうとは。

かつて人生に迷ったとき、リストラされて途方に暮れたとき、よくここに来て元気をもらって帰ったものだった。会社組織でどうしてもうまくいかなくて、人間関係で裏切られて、傷ついてボロボロになったときにも、この大学は勇気をくれた。だからこそ、何度も何度も必死で立ち上がってきたのに・・・。

今日もこうしてまたここに来て20代の自分を思い返している。組織からはみ出し、親友だったはずの友達からも疎まれ、日々の暮らしのために目先の稼ぎに奔走して、カラダもボロボロになって。

50歳を越えたら、正直言ってまともに雇ってくれる会社はほとんどないだろう。正社員どころか、派遣社員としても用済みになってしまった自分の行く末は暗い。だが、それでもやはり立ち上がって前に進まなければならない。このままで終わるわけにはいかないのだ。

だって僕には子供の頃から必死に追い求めつづけ磨き続けてきた「英語」がある。TOEICの点数は810点といったような、英語の専門家を名乗るにはパッとしないスコアでも、まだまだ伸ばし続けていける根拠の無い自信がある。一生かけてやり通すだけの価値のある分野だと自分では思っているし。

それに「音楽」だってある。この世で一番美しいものは何かと問われたら、迷わず音楽だと答えるだろう。それほど音楽には人の疲れた心に潤いを与え、汚れた考えを洗い流す力がある。どんな友達よりも恋人よりも尊い、常にそばに居てくれる存在なのだ。

最後にもうひとつ、ずっと「IT」のスキルも磨いてきた。0からIT業界に飛び込み、まだ普及し始めたばかりのインターネットの個人宅での回線接続設定の仕事から叩き上げて、やっと「英語対応もできるITヘルプデスク」と名乗れるまでになったのだ。

「英語」、「音楽」そして「IT」。この3つがあれば、僕はなんとかやっていけるはずだ。すべてがネットワークでつながれるようになった社会で、パソコン1つあれば生活することが可能な世の中になったから、もはや息苦しい日本の会社組織にしがみつく道理はない。アスペルガーならではの、好きなことに対する異常なまでの集中力をもってすれば、きっとこの先幸せな人生が待っているはずだ。

★★★

生協で昼食をとったあと、そそくさと大学をあとにした。かつてほどの愛着はこの大学に感じにくくなってしまった。それでもやはり、今回も僕に元気を与えてくれた。ありがとう、浪速外国語大学。そして僕はまた、新たな道を探して歩き始めた。